電子工作の世界では、様々なセンサーが活用されています。その中でも、人の動きを検知する「人感センサー」は、セキュリティシステムや自動照明など、幅広い用途で活躍する重要なセンサーです。
今回は、電子工作初心者から上級者まで、幅広く利用されている「HC-SR501焦電型赤外線センサーモジュール」について、その仕組みから使い方を徹底解説します。
HC-SR501とは?
HC-SR501は、焦電型赤外線センサーを使用した人感センサーモジュールです。焦電型赤外線センサーは、人間の体温から放射される赤外線を検知するセンサーで、人の動きを検知することができます。HC-SR501は、この焦電型赤外線センサーと信号処理回路を一体化したモジュールで、小型で扱いやすく、様々な電子工作プロジェクトに組み込むことができます。
HC-SR501の仕組み
HC-SR501の核心となる焦電型赤外線センサーは、人間の体温から放射される赤外線の変化を検知します。人の動きによって赤外線の放射量が変化すると、センサーがその変化を検知し、電気信号に変換します。この電気信号は、モジュール内の信号処理回路で増幅・処理され、最終的にデジタル信号として出力されます。
HC-SR501の主な特徴
- 人の動きを検知:
- 人間の体温から放射される赤外線を検知し、人の動きを検出します。
- 調整可能な検出範囲:
- モジュール上の可変抵抗を調整することで、検出範囲を調整できます。
- 調整可能な遅延時間:
- モジュール上の可変抵抗を調整することで、検出後の出力信号の遅延時間を調整できます。
- 2つのトリガーモード:
- シングルトリガーモードとリピートトリガーモードの2つのモードを選択できます。
- 低消費電力:
- 低消費電力で動作するため、バッテリー駆動の機器にも適しています。
- 小型・軽量:
- 小型・軽量で、様々な電子工作プロジェクトに組み込みやすいです。
HC-SR501のスペック
- 動作電圧:
- DC 4.5V~20V
- 消費電流:
- < 60μA
- 出力電圧:
- High 3.3V / Low 0V
- 検出距離:
- 最大7m
- 検出角度:
- 100°
- 遅延時間:
- 5秒~300秒(調整可能)
- トリガーモード:
- シングルトリガー / リピートトリガー
HC-SR501の使い方
HC-SR501は、3本のピン(VCC、OUT、GND)で構成されています。
- VCC:
- 電源(4.5V~20V)を接続します。
- OUT:
- 検出信号が出力されるピンです。人の動きを検知すると、High(3.3V)が出力されます。
- GND:
- グランド(0V)を接続します。
検出範囲と遅延時間は、モジュール上の2つの可変抵抗を調整することで設定できます。トリガーモードは、ジャンパーピンで選択できます。
HC-SR501の応用例
- セキュリティシステム:
- 人の侵入を検知し、アラームを鳴らすシステム。
- 自動照明:
- 人の動きを検知して、自動で照明を点灯・消灯するシステム。
- 自動ドア:
- 人の接近を検知して、自動でドアを開閉するシステム。
- 省エネシステム:
- 人の動きを検知して、不要な機器の電源をオフにするシステム。
- インタラクティブアート:
- 人の動きに反応するアート作品。
HC-SR501を使う上での注意点
- 検出範囲や遅延時間は、環境条件によって変化する場合があります。
- センサーの前に障害物があると、検出精度が低下する場合があります。
- 静電気に弱いので、取り扱いには注意が必要です。
入手方法
定番な人感センサーのため、電子工作ステーションや秋月電子は勿論、Amazonなどでも安価に入手できます。
使用例
まとめ
HC-SR501は、人の動きを検知する便利なセンサーモジュールです。適切な設定と配線を行うことで、様々な電子工作プロジェクトに活用できます。この記事を参考に、HC-SR501を使った電子工作に挑戦してみてください。