CH340G、PL2303HX、CP2102は、いずれもUSB-シリアル変換ICであり、USBポートをシリアル通信(UART)に変換する役割を果たします。
これらは、マイコンボード(Arduinoなど)とパソコンを接続し、データの送受信を行うために広く使用されています。しかし、それぞれに特徴があり、用途によって使い分ける必要があります。
1. 製造元とドライバの互換性
- CH340G:
- 中国の南京沁恒微電子(WCH)によって製造されています。
- 比較的安価に入手でき、多くの開発ボードやモジュールに採用されています。
- ドライバのインストールが比較的容易で、幅広いオペレーティングシステムで安定して動作します。
- PL2303HX:
- 台湾のProlific Technology Inc.によって製造されています。
- 過去に偽造チップの問題やドライバの互換性の問題が発生したことがあります。
- 特にWindows 10以降の環境では、古いバージョンのPL2303HXドライバが正常に動作しない場合があります。
- 近年ではPL2303TAなどの新しいバージョンがリリースされ、互換性が改善されています。
- CP2102:
- Silicon Labsによって製造されています。
- 安定性が高く、信頼性の高い動作を提供します。
- ドライバの互換性も高く、幅広いオペレーティングシステムで動作します。
2. 性能と安定性
- CH340G:
- 一般的に安定性が高く、高速なデータ転送にも対応しています。
- 多くの用途で信頼性の高い動作を提供します。
- PL2303HX:
- 過去のバージョンでは安定性に問題がある場合がありましたが、新しいバージョンでは改善されています。
- 特定の用途ではCH340Gよりも優れた性能を発揮する場合があります。
- CP2102:
- 安定性が高く、信頼性の高い動作を提供します。
- 特に、複数のデバイスを接続した場合の安定性に優れています。
3. 用途
- いずれのICもマイコンボード(Arduinoなど)とのシリアル通信、組み込みシステム、デバッグなど、さまざまな用途で使用できます。
- CH340G:
- その安定性と価格のバランスから、一般的な用途に広く使用されています。
- Arduino互換ボードによく使われています。
- PL2303HX:
- 特定の産業用途やレガシーシステムで使用されることがあります。
- RS232レベルの機器との接続に使用される事もあります。
- CP2102:
- 信頼性が求められる用途や、複数のデバイスを接続する用途に適しています。
4. ドライバに関する注意点
- CH340G:
- 比較的ドライバの入手が容易で、WCHのウェブサイトからダウンロードできます。
- 多くのオペレーティングシステムに標準でドライバが組み込まれている場合もあります。
- PL2303HX:
- 古いバージョンのPL2303HXを使用している場合は、最新のドライバをProlificのウェブサイトからダウンロードする必要があります。
- 偽造チップを使用している場合は、ドライバが正常に動作しない場合があります。
- CP2102:
- Silicon Labsのウェブサイトからドライバをダウンロードできます。
- OS標準ドライバーで動作する場合も有ります。
5. 価格
- CH340Gは最も安価な傾向があります。
- PL2303HXはCH340Gより高価な場合が多いです。
- CP2102は、これら2つの中間程度の価格帯です。
入手方法
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まとめ
- 一般的な電子工作やマイコン開発には、CH340Gがおすすめです。
- PL2303HXを使用する場合は、最新のドライバを使用し、互換性に注意する必要があります。
- CP2102は信頼性が高く、安定した動作を求める場合に適しています。
- どちらのICも、それぞれの特徴と用途を理解した上で、適切なものを選択することが重要です。
これらの情報を参考に、ご自身のプロジェクトに最適なUSB-シリアル変換ICを選択してください。